日本の携帯料金 世界の基準 では高いのか!?

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携帯電話の料金について、以前からなんとなく高いという声は出ていましたが、昨今ほど正面切って出てきたことは記憶にありません。

安倍総理の時代に管官房長官が4割下げられるという発言が、その口火になった事は間違いありません。その張本人が首相になったワケですから、クローズアップされるのも至極当然です。

民間企業の利益やサービス料金について、国が直接口を出すことは異例です。しかし、国民の財産である電波を使って認可事業で行うわけですから、そのあたりの非難というのは、少々ピント外れです。

世界との比較について

色々なメディアで、日本の携帯料金は高いのか?安いのか?というデータが出ていますが、国の出すデータを含めて各種民間の出すデータも鵜呑みには出来ません。

結論ありきだったり、何らかの思惑が見え隠れするデータも少なくありません。特に国寄りのデータでは、何としても日本の料金が高いという結論を裏付ける偏りが散見しています。

高い利益率は次世代投資の為

利益率20%ということにもスポットが当たっていますが、アメリカのキャリアも同様かそれ以上の数字を叩きだしていますが、触れられません。

料金が高いと言われるアメリカ・韓国に関しては、次世代技術への投資が貪欲である側面もあります。利益が出なければ投資も出来ませんから。単純に三大キャリアの利益・利益率に手を付けると言うことは、次世代開発に遅れをとることに繋がる可能性が出るというのが、難しいところです。

どことくらべるか?

比較する国の通信会社全体に対して、日本の3大キャリアを比較すれば相対的に日本の料金が高いという結論を簡単に導き出すことが出来ます。通信環境が心許ない分だけ料金が安い通信会社は、日本よりも諸外国に確実に存在します。全国津々浦々まで高速通信網を張り巡らす日本の三大キャリアとの比較はナンセンスです。

適正料金

筆者は3大キャリアの料金が適正だ!と国の方針を擁護するわけではありません。同じ距離を移動するのにも、ファーストクラス・ビジネスクラスで行く人もいれば、エコノミーで行く人も居る。ファーストクラスの料金は高すぎるから、料金を安くしろ!というよりも、消費者が必要に応じてエコノミーを選択すれば済む話だと思っています。

たとえば、日本通信という格安SIMがあります。格安SIMの泣き所のひとつとして、制限無しの電話かけ放題がありました。キャリアには普通にある無制限の通話し放題がMVNOでは難しく、専用の別アプリを使って時間制限あり(3分とか5分とか10分以内なら何度掛けても無料)が現実的な話でした。でしたと過去形にしたのは、クリアされてきているからです。

日本通信の「合理的かけほプラン」はアプリを使わない通常の電話発信で無制限かけ放題が可能になり、3GBのデータ量と併せて月額2,480円を実現しました。日本で初めてMVNOサービスを開始した日本通信は、通話料に関して総務省に申し立てを行い、国の後押しでDoCoMoから勝ち取った接続料の値下げがあって出来たサービスです。闘うMVNOの面目躍如です。そのサービスを3大キャリアと料金比較してみます。

出典:日本通信
出典:日本通信
出典:日本通信

三大キャリアを諸外国と比較検討する時に基準にする料金とイコールです。もっとも、最近の3大キャリアは囲い込みに熱心で、家族での複数契約や光回線・固定回線だけでなく、電気・ガスまで取り扱いを始めて各種割引を上記の金額から安価にする政策を、こぞってやっています。

良いカモになっていないか?

3大キャリアに支払う一人あたりの月額通信料は、MMD研究所の調べだと2019年で8,451円になっています。この金額は、国も高いと言っていますし、その為に手も打っていますが、現状は端末代金が高くなっただけで、実際の月額金額が大きく下がってはいません。

3大キャリアは企業として世界的に見ても、その規模から考えれば効率よく利益を上げています。何故そうなるのか?その一つの理由として、面白いデータがあります。同じMMD研究所による2019年の調査ですが、自分の月額通信料を把握している人は、格安SIMを使っている人の87.7%と9割近くの人が答えられるのに対して、3大キャリアを使っている人は66.4%に留まりました。

月額料金が高額になるのは、元々の基本が高いのもありますが、自分の使っているデータ容量を把握していない事もその要因です。お店で言われるがままに契約して、そのまま長期に渡って契約する。良いカモにならない為の第一歩は、通信量の把握にあります。

別の言い方をすれば、自分が必要としている以上の契約をすることで、毎月の支払いが3大キャリアの養分になっていないか?ということです。

オーバースペック

携帯電話の料金を安くするのは、まず無駄が無いか?確認するということです。必要以上の契約をしていないかは勿論ですが、使う端末にも言えます。3大キャリアの使用者は、自分の使っている端末の価格を把握しているのは少数派です。上記に挙げた各種割引で絡め取られている状況では、月額料金の把握は難しいし、その中に端末の料金も入っていることが理由です。

好きな端末を選べばいいのは勿論ですが、LINEやSNSにネットをやるくらいなのに、高額なスマホを使うのは、近所のコンビニに行くのに高性能なスポーツカーを使うようなものです。

これからの変化

以前はよく見かけた、端末0円という文句を見なくなりました。国の指導で、端末の割引価格の上限を20,000円までと決められたからです。現状存在する端末0円のサービスは、20,000円以下の端末しか適用できず、iPhoneでは逆立ちしても実現不可能です。

これから機種変更しようと考えた3大キャリアの契約者は、以前とはあまりにも違う環境を知ることになります。機種代に関して、今までは大して気にも留めないで使用していたiPhoneを買い換えるのに、そんな金額がかかるのか!と愕然とすることになります。

高級高額のハイグレード指向だったAppleは、世界でも希なシェアを誇る日本では、3大キャリアの「ばら撒き政策」が大きな原動力になっていたことをよく理解しています。iPhone SE(第2世代)の投入と価格設定は見事で、実際に良く売れています。iPhone12の発表が迫ってきていますが、どんなスペックと価格で出してくるのか要注目です。

国の顔色を伺いつつ囲い込みプログラム

3大キャリアも手をこまねいているワケでは無く、国の顔色を伺いながら、端末での囲い込みを画策しています。2019年10月に電気通信事業法の一部改正により国の指導がキツくなったからです。

端末を安く供給する代わりに、長期間動けないようにするのが3大キャリアの希望ですが、そんな意図の新しいプログラムは、国の指導で発表してから時間を経たずに中止に追い込まれたり・・・・・。

現在は各社ともざっくり説明すると、機種によりますが、分割払で最終回に4割程度の金額を集中させる残価を設定して、機種を下取りに出せば残額の支払いは不要で新機種に乗り換えが出来るプログラムが主流になっています。

たとえば、auの場合「かえトク」というプログラムが用意されています。iPhone SE(第2世代)64GBは販売価格が55,270円です。ショップによって政策は異なりますが、国の定めた上限20,000円はMNP(電話番号を持って他社からの移行)に適用する店が多い様です。

すると価格は35,270円になります。これを24回払いで残価は26,520円に設定されます。するとその差額を24回でしはらうことになりますから、あら不思議!初回390円・月々380円×24回の負担で最新のiPhoneが持てることになるわけです。

24回を払い終えた時点で、使っていた端末を下取りに出して、新しい機種を同様の仕組みで購入するか、設定された残価26,520円を再度24回の分割にすることもできます。(それ以降の支払いは月々1,105円)つまり、どちらに転がっても長期でauを使い続ける事になるわけです。

この仕組みも・・・今後国からの指導が入る可能性はありますが・・・。

余計なことはしなくても

個人的な意見ですが、国が3大キャリアに値下げ圧力を掛けるよりも、国民の財産を使っているわけですから、再販価格(MVNOへ供給するデータ・通話の料金)を下げる仕組みを作った方が、活気ある市場が構築できると考えます。

むしろ、単純に3大キャリアの値下げに踏み切れば、MVNOへ打撃を与えるだけになりかねません。現状ある選択肢を狭めることが、活気ある競争市場を阻害するだけです。

ユーザーが一旦立ち止まって、今の縛られている現状を冷静に見つめて打破する行動に出れば、国全体の携帯電話の料金は緩やかにでも下がっていきます。MVNOの回線使用料が下がる事もほぼ確実になり、MNP(番号を持って移動する)手数料の事実上の廃止も、近い将来実現する見込みです。

楽天モバイル

楽天モバイルが、2020年の春に第4のキャリアとして、サービスを開始しました。上記にあるような、3大キャリアともMVNOとも違う立ち位置で、少なからず市場に刺激は与えていますが、現状は色々と計画通りには行かないで、国からのお叱りも度々受けています。

ただ、基地局整備を来年の春までに意地でも行うでしょうから(1年間無料のキャンペーンを展開中だが、クオリティが伴わないと解約者が続出する恐れがある)今後に期待ですね。5Gも含めて高速回線が使い放題で、通話し放題が全国のある程度の場所で使える様になり、月額2,980円なら日本の携帯電話料金の平均値を大幅に下げる可能性があります。今後に期待です。

投稿者: enblo

デジタル・流通・服飾 変わり種ライター集団です

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