2025年になって、通信キャリア(MNO)ではプラン改定に積極的な動きをしており、ドコモでは6月5日から従来の無制限プラン「eximo」に変わる「ドコモMAX」がスタートして、従来の小容量プラン「irumo」に変わる「ドコモmini」がスタートしました。
新プランの発表に伴って、それまでのスマホプランは新規受付を停止しました。新しい無制限プランは、サブスクのスポーツ中継「DAZN for docomo」が標準装備されて、国際ローミングが30GBまで無料で利用ができるなどの特典が加わり、解りやすい値上げがされたと言えます。
小容量プランは容量が整理されて2つだけになり、旧プラン「irumo」と比較して新プラン「ドコモmini」は容量が1GB増加すると共に値上げされています。しかし、割引制度について新プランでは優遇されることで、結果的に同程度の金額で容量が増えた分お得です!というのがドコモのプラン発表時の説明になっています。
「irumo」は新規受付停止ですが、既存の契約者は継続して利用することができます。しかし容量プランの変更も既に受付を終了しており、irumoで契約している容量プランでギガ不足のユーザーの改善策は、プランを変更するしかありません。ドコモでは当然後継の「ドコモmini」の方がお得ですよ!というスタンスですが・・・。
「irumo」の後継である「ドコモmini」への乗り換えはお得なのか?他の選択肢も検証しながら解説していきます。
「ドコモmini」がお得だというドコモの説明について考察

ドコモの小容量プラン「irumo」は、NTTグループの格安SIM「OCNモバイルONE」の運営をドコモに吸収合併に伴うスマホプランの廃止に併せて発表されたため、OCNモバイルONEの利点である安価に小容量が利用できる点が考慮された、ドコモユーザーに対して格安SIMや他社のサブブランドなどにも対抗できる魅力的なプランとして人気でした。
| irumo | |||
| 0.5GB | 3GB | 6GB | 9GB |
| 550円 | 2,167円 | 2,827円 | 3,377円 |
しかし、人気のプランの見方を提供側からにすると色々と不都合も多かった様で、2023年7月に提供が開始されてから、2年経たない時点で停止に至り、後継の新プラン「ドコモmini」にその役割を託しています。
| ドコモ mini | |
| 4GB | 10GB |
| 2,750円 | 3,850円 |
大きく変わったのは、通信速度が3Mbpsに制限されて5G電波が利用できず4Gのみ、割引も一切無いですが、シンプルに解りやすく電話通話が主体の利用者やガラケーからの乗り換えユーザーにも使いやすい0.5GBのプランが無くなり、ちょっと余裕を持って利用できる6GBも無くなりました。新プラン移行により3GBは4GBに容量が拡大されて583円の値上げが行われ、9GBは10GBに容量が拡大されて473円の値上げがされました。
増量された1GBの単価としては、安くはありませんがとても高いというわけでもありません。インターネット利用のギガ消費は増加する傾向にありますから、ドコモminiはお得に利用できますという前提の上で、割引制度を拡充したのでそれらを利用すれば「irumo」と変わらない料金で、増量された容量を「ドコモmini」なら使えますよ!というのがドコモの説明スタンスです。詳しく見てみましょう。
ドコモの説明による「irumo」「ドコモmini」の違い
ドコモが用いている「irumo」と「ドコモmini」の違いを説明したのが、以下の表です。
|
irumo |
ドコモ mini |
|||||
| 利用可能データ量 | 0.5GB | 3GB | 6GB | 9GB | 4GB | 10GB |
| 月額料金 | 550円 | 2,167円 | 2,827円 | 3,377円 | 2,750円 | 3,850円 |
| dカードお支払割 | – | ▲187円 | ▲550円 | |||
| ドコモ光セット割 または home 5G セット割 |
– | ▲1,100円 | ▲1,210円 | |||
| ドコモでんきセット割 | – | ▲110円 | ||||
| 割引適用後の月額料金 | 550円 | 880円 | 1,540円 | 2,090円 | 880円 | 1,980円 |
dカード支払い割
ドコモのクレジットカード「dカード」で料金を支払う手続きをすると適用される割引が、旧プランの「irumo」では187円でしたが、新プランの「ドコモmini」では550円に増額されました。
セット割
ドコモのスマホプランと自宅の指定されたWi-Fi回線(光回線のドコモ光・ホームルーターのhome5G)を併用することで、「セット割」の適用が受けられるのは同じですが、旧プランの「irumo」では1,100円だったスマホ1台当りの割引額は、新プラン「ドコモmini」では1,210円に増額されました。
ドコモでんき割
自宅で使う電力会社をドコモでんきにすることで、新プラン「ドコモmini」では110円の割引が新たに加わりました。
これら3つの割引を使えば、結果として「irumo」3GBユーザーは同じ金額で1GB増量された環境を「ドコモmini」では利用ができるようになり、「irumo」9GBユーザーは100円安い月額料金で「ドコモmini」では1GB増量されたプランが利用できます。だから、新プラン「ドコモmini」がお得ですよ!というのが、ドコモによる新プランの趣旨とセールストークです。
新プラン説明の疑問点と考察
もちろん公式による説明ですから、間違いは当然ありません。しかし、「そうか!新プランドコモminiの方がお得になっている!」ということにはなりません。
dカード支払い割について
dカードの割引は増加していますが、厳密には利用するカードによって本来割引額は異なります。550円の割引が受けられるカードはdカード PLATINUM/dカード GOLD/dカード GOLD Uであって、通常のdカードの割引額は220円です。
上の表で550円になっているのは、現在はキャンペーン中で通常のdカードも550円の割引が適用されるためです。しかし、このキャンペーンがいつまで続くかについては明言されていません。
また、単純に表に入れて計算すればこの通りですが、dカードの割引はスマホ1台につきの割引額ではなく、1回の支払いについての割引額になることも注意が必要です。たとえば、ドコモminiの4GBを家族4人で利用した場合、880円×4人=3,520円にはなりません。
家族4人で割引をフル活用した場合の支払いは、1,430円×4人=5,720円から550円(dカード割)を引いた5,170円になります。カード払いの割引を家族の各スマホに適用させるには、それぞれ個別のカードで支払う必要があり現実的ではありませんよね。
dカード PLATINUMでは年会費29,700円、dカード GOLDでは年会費11,000円がかかることを勘案すれば、年間で6,600円(550円×12ヶ月)の割引を得るために新たにカードを作成してもペイできません。
ドコモでんき割
でんき割はdカード割とは異なり、家族で利用した場合に家族それぞれに割引が適用されますし、どうせどこかの電気会社と契約する必要があるから、ドコモでんきに変えるだけで割引が得られます。しかし、110円の割引を得るための手段としては諸手を挙げて賛成できません。
電気代の割引には繋がらないケースが多い
基本的に電力会社を変えるのは電気代を安くするためですが、ドコモでんきの電力料金単価は従来の電力会社と同程度の設定で、直接的な割引には繋がりません。
オール電化住宅では値上がり
オール電化住宅では、ドコモでんきには安い夜間料金プランが無いため、料金が値上がりする可能性があります。
東北関東エリアでは割高になる可能性
東北や関東エリアでは、電源費用などの調整額の加算がされるため、割高になる可能性があります。
燃料費調整額に上限が無い
ドコモでんきでは燃料費調整額に上限の設定が無いため、燃料価格の高騰によって電気代が大きく変動してしまうリスクがあります。
電力プランが合わない可能性
ドコモでんきのプランは2つしかないため、電気利用の仕方に合わない可能性があります。
支払いはdカードのみ
ドコモでんきの支払いは、dカードしか利用することができず、利用するにはdカードを作成する必要があります。
一般的な「セット割」だけで比較
どちらの小容量プランには家族で利用しても「家族割」の適用はありませんから、他の割引は排除して、一般的に広く利用されている光回線のドコモ光などを併用することで適用される「セット割」のみで、旧プランの「irumo」と新プランの「ドコモmini」を比較してみましょう。
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irumo 旧プラン |
ドコモmini 現行プラン |
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| 容量 | 0.5GB | 3GB | 6GB | 9GB | 4GB | 10GB |
| 基本月額 | 550円 | 2,167円 | 2,827円 | 3,377円 | 2,750円 | 3,850円 |
| セット割 | 0円 | 1,100円 | 1,100円 | 1,100円 | 1,210円 | 1,210円 |
| 割引後 | 550円 | 1,067円 | 1,727円 | 2,277円 | 1,540円 | 2,640円 |
「irumo」でセット割を適用した3GBプランは月額1,067円で、この格安SIM並の料金でドコモの回線を普通に利用ができるのはコスパ抜群でした。3GBでギガ不足を感じているユーザーの乗り換え先として「ドコモmini」の4GBを選択すれば、月額料金は1,540円になります。4GBでも不足するなら、一気に10GBになる選択肢しかなく月額料金も2,640円に一気に値上がりします。
通信キャリア(MNO)の料金なので仕方が無いとはいえ、ドコモには他社のような安価に利用できるサブブランドも存在していませんので、4GBで基本月額2,750円・セット割適用で1,540円の料金に割高感は否めません。
容量別「irumo」からコスパの良い乗り換え先

「irumo」ユーザーで容量不足を感じているなら、irumo内でのプラン変更はできなくなっているため、乗り換えが得策です。具体的に、コスパの良い乗り換え先について考えてみましょう。
0.5GBプランで容量が足りない 「NUROモバイル」
(出典:NUROモバイル)
「irumo」の0.5GBプランをご利用中で、ギガ容量が足らない不満が出てきているなら、格安SIM「NUROモバイル」への乗り換えがおすすめです。
| 容量 | 料金 | |
| 3GB | 792円 | バリュープラス |
| 5GB | 990円 | |
| 10GB | 1,485円 | |
| 15GB | 1,790円 | |
| 1GB | 930円 | 5分かけ放題 かけ放題ジャスト |
| 1GB | 1,320円 | 10分かけ放題 かけ放題ジャスト |
| 1GB | 1,870円 | 無制限かけ放題 かけ放題ジャスト |
irumoの0.5GBプランは電話通話中心のユーザー利用も多く、5分通話無料オプション(880円)を付けても月額1,430円、無制限かけ放題オプション(1,980円)を付けても月額2,530円で利用ができるコスパの良さが魅力でした。
しかし、0.5GBで容量不足を感じるようになると、ドコモの他のプランに乗り換えることで料金は一気に上がります。
格安SIM「NUROモバイル」では、1GBの容量とかけ放題がセットになっているプランが提供されていて、5分かけ放題なら月額930円・かけ放題でも1,870円で、irumoでかけ放題を利用している場合よりも安くなり、使えるギガ容量も増えます。かけ放題の時間が5分で足らない場合ではドコモには用意されていませんが、NUROモバイル」なら10分かけ放題+1GBが月額1,320円です。ドコモの5分かけ放題よりも安価に利用できます。
3GBプラン・6GBプラン・9GBプランで容量が足りない 「IIJmio」
(出典:IIJmio)
「irumo」の3GBプラン・6GBプラン9GBプランを利用中で毎月ギガ容量不足を感じているなら、格安SIM「IIJmio」への乗り換えがおすすめです。
安価な料金プランで多くの容量プラン選択肢があり、2回線以上の家族で利用する場合は、月額100円の割引がされるのでさらにお得になります。
| 容量 | 料金 | 2回線以上 家族割 |
| 2GB | 850円 | 750円 |
| 5GB | 950円 | 850円 |
| 10GB | 1,400円 | 1,300円 |
| 15GB | 1,800円 | 1,700円 |
| 25GB | 2,000円 | 1,900円 |
| 35GB | 2,400円 | 2,300円 |
| 45GB | 3,300円 | 3,200円 |
| 55GB | 3,900円 | 3,800円 |
irumoの3GBで容量不足を感じているなら、IIJmioの5GBの容量プランがおすすめです。月額850円(家族2人以上で利用の場合)で利用することができるので、ドコモminiの4GBに乗り換えるよりも、大幅に費用対効果のコスパが良くなります。
irumoの6GBプランで容量不足を感じているなら、IIJmioの10GBプランがおすすめです。月額1,300円(家族2人以上で利用の場合)で利用することができるので、ドコモminiの10GBプランに乗り換えるよりも、大幅にコスパが良くなります。
irumoの9GBプランで容量不足を感じているなら、ドコモminiの10GBでも不足を感じる可能性は大きいと言えます。IIJmioの15GBプランなら月額1,700円(家族2人以上で利用の場合)で利用することができるので、余裕のある容量をドコモminiよりも安価に利用できます。
もっともっと大量にギガを使いたい! 「ahamo」
(出典:ahamo)
irumoをお使いで、今の容量では全然足りず、もっともっと多くのギガを使いたいのにストレスが溜まる!という場合は、ドコモの無制限プラン「ドコモMAX」よりも、ドコモのオンライン専用プラン「ahamo」がおすすめです。
| 容量 | 30GB | 110GB |
| 基本月額 | 2,970円 | 4,950円 |
この料金で、国内5分かけ放題も付帯しています。
大量にギガを使うスマホユーザーでも、大半は30GBで収まるケースが多く、110GBで足りないユーザーは限りなく少なくなります。ドコモの無制限プランよりも大幅にコスパ良く利用できます。
オンライン手続きをすれば、契約手数料もかかりません。

光回線はドコモ光を継続利用よりも乗り換えがお得

ここでご紹介したスマホプランに乗り換えた場合、ドコモ光を自宅で併用しても「セット割」は当然適用がされません。しかし、スマホプランを乗り換え後もドコモ光に料金の変更は無く、継続利用しても問題ありません。
でも逆に言えばドコモ光を継続利用してもメリットは無く、より月額料金の安い光コラボへ乗り換えがおすすめです。ドコモ光はNTT東西の光回線フレッツ光を使っている「光コラボ」の一つなので、他の光コラボへの乗り換えなら回線工事不要の「事業者変更」の手続きだけで、簡単に光回線サービスを乗り換えることができます。
光コラボ「GMO光アクセス」へ事業者変更がおすすめ
(出典:GMO光アクセス)
ドコモ光はNTT東西の光回線フレッツ光を使う「光コラボ」なので、同様の光コラボで安価に利用ができる「GMO光アクセス」へ、新たな回線工事が不要の事業者変更での乗り換えがおすすめです。
GMO光アクセス」の月額料金は、マンション利用3,773円・戸建て利用4,818円です。
| マンション | 戸建て | |
| ドコモ光(タイプA) | 4,400円 | 5,720円 |
| GMO光アクセス | 3,773円 | 4,818円 |
ドコモ光から事業者変更承諾番号を入手して、GMO光アクセスの申し込み時に入力するだけでOKです。「お客さまID」や「ひかり電話番号」は変更されず、そのまま継続して利用することができます。
事業者変更承諾番号入手先 ドコモ光
電話 0120-800-000 (9:00~20:00 年中無休)
ドコモショップでもwebでも手続きが可能です。
事業者変更承認番号には、発行日から15日間の有効期限があります。これは申し込みまでに15日の猶予があるということではなく、申し込み先とドコモ光のやり取りの期間も含まれているので、事業者変更承諾番号入手後は速やかに手続きを行ってください。
キャッシュバックキャンペーン
GMO光アクセスを新規契約すると、5,000円のキャッシュバック特典が受け取れます。
違約金を最大60,000円還元
事業者変更で乗り換えると、ドコモ光は自動的に解約の手続きがとられます。ドコモ光の解約タイミングによっては違約金が発生するケースがあり、工事費の分割費用が完済していない場合は、残債を精算する必要があります。GMO光アクセスに乗り換えることで、それらの費用が発生する場合、最大60,000円まで負担が受けられます。
Wi-Fiルーターを無料レンタル
古いWi-Fiルーターを継続利用することは、通信速度やセキュリティに良くない影響を及ぼしている可能性があります。GMO光アクセスでは高性能ルーターを無料でレンタルすることができて、3年利用すればそのままプレゼントされます。
工事費無料
ドコモ光を既に利用しているなら、GMO光アクセスの利用には新たな工事は必要がありませんが、現在光回線を利用していないなら、スマホプランの乗り換えを機に光回線の導入もおすすめです。自宅でWi-Fiが利用できるようになれば、スマホプランのギガ利用容量は大きく減らすことができます。
回線導入工事費に最大25,300円の費用がかりますが、36回の分割払にすることにより、今なら毎月分割費用と同額の値引きが受けられるので、実質無料で導入することが可能です。
ahamoに乗り換えなら「ahamo光」がおすすめ
(出典:ahamo光)
「ahamo」に乗り換えユーザーなら、「ahamo光」への乗り換えが最適です。
「ahamo光」も前述の光コラボの一つであり、ドコモ光から工事不要で簡単に乗り換えることができます。ahamoのユーザーだけが、「ahamo光」を利用することができます。
ahamo光はドコモ光よりも安価な月額料金で利用できます。同じ1ギガのサービスで比較すると、月額料金がドコモ光のタイプA(マンション4,400円・戸建て5,720円)よりも安い、マンション3,630円・4,950円で利用できます。
ドコモ光から「ahamo光」への乗り換える場合は、My docomo(Web)で簡単に乗り換えることができます。









