ソフトバンクのスマホユーザーが自宅に導入する光回線としては、「ソフトバンク光」が多くなっています。ソフトバンクは全国に展開している日本でも有数のスマホプランの企業だから、光回線もライバルのドコモ光に負けるな!という感じで、全国に広げているのでしょ?と、お考えなら、それは間違っています。
「ソフトバンク光」と「ドコモ光」が利用できる提供エリアは、実は全く同じです。ライバルとして競い合う中で、結果的に同じような提供エリアになった・・・ということでもありません。
ちょっと解りにくいけれど良く聞く、「ソフトバンク光」「フレッツ光」「光コラボ」について、その違いを解説しながら、お得に利用ができる方法までご紹介します。
インターネットを利用するにはどんな回線でも「プロバイダ」が必要
(出典:NTT東日本)
光回線の契約をするだけでは、インターネットを使うことができません。必ずプロバイダと呼ばれる接続業者が必要になります。これは光回線だけに限らず、スマホプランのような無線回線でインターネットを使う場合も同じです。
ソフトバンクのスマホプランを契約するときにプロバイダの話が出ることはありませんが、これはソフトバンクのスマホプランを契約した場合、ソフトバンクの回線に加えて、自動的にソフトバンクのプロバイダである「Yahoo!BB」がワンセットになっているからです。
回線自体には、世界中に点在しているデータが保管してあるサーバーに接続することはできず、プロバイダがデータを取りに行って、回線を通してユーザーに接続しているのが、インターネットの基本的な利用の流れです。
光回線はそれほど多くの種類が存在していない
数多くの光回線が日本中に存在していると思っている方も多いのですが、実はそれほど多くの光回線は存在していません。
光回線は有線の光ファイバーケーブルであり、利用するためには直接的にユーザーが接続する必要があります。広く提供エリアをカバーするためには街中を縦横無尽に配線する必要があり、何らかのインフラを持っている企業でなければ、光ファイバーケーブルを敷設することは困難だと言えます。
そのため日本で一般的に利用ができる光回線は、電話線を全国に敷設しているNTT東西の「フレッツ光」、フレッツ光の利用していないダークファイバーを使う「auひかり」「NURO光」、電力事業を展開している企業が自社管内で提供している「eo光」「コミュファ光」などの電力系、ケーブルテレビを運営する企業である「J:COM光」などのケーブルテレビ系に大別できます。
「フレッツ光」とは?
フレッツ光はNTT東西の光回線で、広く全国47都道府県全県で提供されています。提供エリアは光回線で最も広く、主力の1ギガ光回線であるフレッツ光ネクストでは、人口エリアカバー率として、東日本では概ね95%以上、西日本では概ね93%以上だと言われています。
NTT東西ではプロバイダを提供していない
フレッツ光は全国で利用し易い利便性を備えていますが、フレッツ光をNTT東西と契約するだけでは、インターネットを利用する事ができません。フレッツ光を提供するNTTではプロバイダを提供していないため、別途プロバイダとの契約をする必要があります。
契約先が2箇所になるため支払い先も2箇所になり、トラブルの発生時には相談窓口が2箇所になり、使い勝手が悪くコスパ面でのメリットも無いため、個人の新規契約でこの契約は殆どありません。
フレッツ光は「法人契約」利用に最適
フレッツ光とプロバイダを別に契約するこの利用形態でメリットがあるのは、店舗やビジネス利用などの「法人契約」です。
NTT東西と直接契約して利用する光回線はフレッツ光だけで、ビジネス利用ならNTTの持つ豊富なITノウハウを有効活用できるからです。
「光コラボ」とは?
「光コラボ」とは、フレッツ光をNTT東西がプロバイダに卸提供を行い、プロバイダが自社業務と光回線をワンセットにして、光回線サービスとして提供しています。
光コラボではNTT東西と契約しない
「光コラボ」ではNTT東西の光回線フレッツ光を利用しますが、NTT東西と直接契約をしません。プロバイダの提供している光コラボと契約するだけで、フレッツ光が使えるようになります。
フレッツ光が利用できる場所・建物で「光コラボ」は利用ができる
全国の多くの場所で利用ができるフレッツ光の提供エリアでは、「光コラボ」を使うことができます。
マンションなどの集合住宅では、建物の共有スペース内まで導入工事が完了している光回線しか、原則として利用することができませんが、フレッツ光は日本中の数多くの建物に既に導入されています。フレッツ光対応マンション・フレッツ光導入済みマンションなどの表記がある建物で、「光コラボ」は利用することができます。
光コラボは多くの企業から提供されている
「光コラボ」という名称の光回線サービスは、どこを探しても提供されていません。NTT東日本エリアで530社・NTT西日本エリアで235社という数多い企業から光コラボを提供されていて、それぞれ独自のサービスを競い合っています。
NTT東日本「光コラボレーションモデル事業者様」及び「お取り扱いサービス」一覧
NTT西日本「光コラボレーションモデル事業者様」及び「お取り扱いサービス」一覧
光コラボは個別にサービスが異なるだけでなく、それぞれ月額料金なども異なっています。
「ソフトバンク光」とは?
(出典:ソフトバンク光)
「ソフトバンク光」は、数多くある光コラボの中の一つで、光回線にはフレッツ光を使う光回線サービスです。プロバイダはソフトバンクグループの「Yahoo!BB」が担っています。
ドコモ光も光コラボの一つなので、利用する光回線はソフトバンク光と同じフレッツ光のため、この2つのサービスは提供エリアが全く同じになるということです。
ソフトバンク光の月額料金は、マンション利用4,180円・戸建て利用5,720円です。
光コラボの方が2箇所契約よりもコスパが良くなる
同じ利用形態で、フレッツ光をNTT東西と契約・プロバイダを別途Yahoo!BBと契約した場合の月額料金で比較すると、光コラボの方が安く利用できます。
場所 | マンション月額料金 | 戸建て月額料金 | |
ソフトバンク光 | 全国 | 4,180円 | 5,720円 |
フレッツ光 + Yahoo!BB |
東日本 | 5,170円 | 7,590円 |
西日本 | 4,620円 | 6,050円 |
「ソフトバンク光」「フレッツ光」「光コラボ」の違いは?
「ソフトバンク光」「フレッツ光」「光コラボ」のそれぞれの違いについて、ここまで読み進めて頂いた内容をまとめてみましょう。
フレッツ光
フレッツ光はNTT東西の光回線で、NTTではプロバイダの提供をしていません。そのため、フレッツ光の契約をするだけでは、インターネットを利用することができません。別途プロバイダとの契約が必要で、コスパ的にも個人利用にメリットは無く、法人契約に向いています。
光コラボ
光コラボは、プロバイダがNTT東西から光回線フレッツ光の卸提供を受けて、自社のプロバイダ業務とワンセットにして提供している、光回線サービスです。コスパ良く利用ができてワンストップの契約や利用ができるため、個人契約でフレッツ光を利用する手段として、光コラボが最適です。フレッツ光の提供エリア・フレッツ光が建物に導入されている、フレッツ光対応マンションなどで、光コラボは利用することができます。
ソフトバンク光
ソフトバンク光は、数多くある光コラボの一つであり、光回線にはフレッツ光を使っています。フレッツ光とプロバイダを別途契約するよりも、コスパ良く利用することができます。
ソフトバンクユーザーが「ソフトバンク光」を使うメリットは?
ソフトバンクのスマホプランを利用するユーザーが、自宅に「ソフトバンク光」を導入して併用するメリットは、家族分まで含めてスマホ代が毎月割引される、「セット割」が適用されることにあります。
無制限プランの「セット割」
メリハリ無制限+プラン | ||
容量 | 2GB未満 | 無制限 |
基本月額料金 | 5,775円 | 7,425円 |
家族割 (2回線) |
660円 | 660円 |
家族割 (3回線以上) |
1,210円 | 1,210円 |
セット割 | 1,100円 | 1,100円 |
単身利用 | 4,675円 | 6,325円 |
家族割2人総額 | 8,030円 | 11,330円 |
家族割3人総額 | 10,395円 | 15,345円 |
家族割4人総額 | 13,860円 | 20,460円 |
無制限プランのユーザーは自宅にソフトバンク光を併用することで、毎月1,100円の「セット割」が適用されます。家族で利用する場合は、最大で1,210円の「家族割」が更に割引されます。
小容量プランの「セット割」
ミニフィットプラン+ | |||
容量 | ~1GB | ~2GB | ~3GB |
基本月額料金 | 3,278円 | 4,378円 | 5,478円 |
家族割 (2回線) |
0円 | 0円 | 0円 |
家族割 (3回線以上) |
0円 | 0円 | 0円 |
セット割 | 1,100円 | 1,100円 | 1,100円 |
単身利用 | 2,178円 | 3,278円 | 4,378円 |
家族割2人総額 | 6,556円 | 8,756円 | 10,956円 |
家族割3人総額 | 9,834円 | 13,134円 | 16,434円 |
家族割4人総額 | 13,112円 | 17,512円 | 21,912円 |
小容量プランのユーザーは、自宅にソフトバンク光を併用することで、毎月1,100円の「セット割」が適用されます。家族で利用しても小容量プランでは、「家族割」の適用は受けられません。
ソフトバンクの「セット割」適用後の料金はコスパが良いのか?
ここで考えてみたいのが、ソフトバンクのスマホプランに「セット割」を適用した料金は、本当にコスパが良いのか?です。
割引額は確かに大きいと言えます。たとえば4人家族で無制限プランを利用している場合、「家族割」で1,210円+「セット割」で1,110円ですから、合わせて月に2,320円になり、4人家族ですから月に9,280円の割引が適用される計算になります。
しかし、スマホを最も利用する自宅で光回線によるWi-Fiが利用できる環境になれば、スマホプランのギガ消費は大きく減ります。スマホのプラン容量ギガを使うのは、外出時のWi-Fi環境が利用できない場所だけに限られるからです。多くのスマホユーザーは小容量の消費に留まり、その中心値は3GB程度になります。
(出典:MM総研)
料金の絶対額で見れば必ずしもコスパは良くない
ソフトバンクの無制限プランユーザーは、2GB未満なら1,650円の割引が受けられますが、それを超過した場合は一気に高くなります。それ以前に、2GB未満程度の利用でセット割を適用した月額料金は4,675円になるのは、極めてコスパが悪いと言わざるを得ません。家族割を最大限に活用しても、3,465円という料金では同様です。
小容量プランで3GB未満程度利用した場合は、「セット割」を適用させても4,378円で、無制限プランに家族割とセット割を適用した価格よりも高くなり、こちらも極めてコスパは良くありません。
もっとコスパ良く利用ができる方法は?
もっと支払い費用を節約するコスパの良い利用方法は、ソフトバンク光よりも安価な光コラボを利用して、セット割などの割引が無くても絶対額が安くなるスマホプランを利用することです。
安価な月額料金の光コラボ「GMO光アクセス」
(出典:GMO光アクセス)
光コラボの中で最安値級の月額料金が設定されているのは、「GMO光アクセス」です。
GMO光アクセスの月額料金は、マンション利用3,773円・戸建て利用4,818円です。
キャッシュバックキャンペーン
GMO光アクセスを新規契約すると、5,000円のキャッシュバック特典が受け取れます。
工事費無料
工事費に最大25,300円の費用がかりますが、36回の分割払にすることにより、毎月分割費用と同額の値引きが受けられるので、実質無料で導入することが可能です。
Wi-Fiルーターを無料レンタル
自宅に導入した光回線でWi-Fiを利用するためには、Wi-Fiルーターを別途購入して設置する必要があります。GMO光アクセスでは、高性能ルーターを無料でレンタルすることができます。3年以上継続して利用すると、レンタルしていたWi-Fiルーターはそのままプレゼントされます。
併用するコスパの良いスマホプランは?
GMO光アクセスと併用する、コスパの良いスマホプランについても考えてみましょう。
ソフトバンクのスマホプランユーザーで、現状の繋がりやすさなどの通信環境に不満が無ければ、同じ電波を使うスマホプランへの乗り換えが最適です。ソフトバンクで購入したスマホも、問題なく乗り換えても継続利用ができます。
「LINEMOベストプラン」
(出典:LINEMO)
ソフトバンクのオンライン専用プラン「LINEMO」は、ソフトバンクのスマホプランと全く同じ電波・回線を利用して、安価な月額料金で利用が可能です。
「LINEMOベストプラン」なら、月に3GB利用の場合は月額990円で利用することができるので、ソフトバンクのスマホプランよりも大幅にコスパが良くなります。
家族4人の通信費トータル費用を計算してみましょう。
GMO光アクセス | LINEMOベストプラン3GB未満 | 家族 | 合計 | |
マンション | 3,773円 | 990円 | 4人 | 7,733円 |
戸建て | 4,818円 | 990円 | 4人 | 8,778円 |
高品質なキャリア回線を利用できるスマホプランを利用しても、家族4人でマンション利用7,733円・戸建て利用8,778円で収まります。
「NUROモバイル」
(出典:NUROモバイル)
格安SIMの「NUROモバイル」は、ソフトバンク回線を選択できます。LINEMOと比較すると、通信速度は遅くなる傾向になりますが、よりコスパ良く利用ができます。
容量 | 料金 | |
3GB | 792円 | バリュープラス |
5GB | 990円 | |
10GB | 1,485円 | |
15GB | 1,790円 | |
1GB | 930円 | 5分かけ放題 かけ放題ジャスト |
1GB | 1,320円 | 10分かけ放題 かけ放題ジャスト |
1GB | 1,870円 | 無制限かけ放題 かけ放題ジャスト |
自宅では高速無制限の光回線GMO光アクセスを利用して、家族4人でNUROモバイルの3GBプランを利用した場合の、通信費トータル費用を計算しましょう。
GMO光アクセス | NUROモバイル3GB | 家族 | 合計 | |
マンション | 3,773円 | 792円 | 4人 | 6,941円 |
戸建て | 4,818円 | 792円 | 4人 | 7,986円 |
家族4人で利用しても、マンション利用6,941円・戸建て利用7,986円の支払いで収まります。