我が国のスマホプラン契約のシェアは、3大キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)が圧倒的に多く、8割くらいのユーザーが利用している中で、より安価なスマホプランを求めるリテラシーの高いユーザーの、3大キャリア以外の利用先で多いのが、4番目の通信キャリアである「楽天モバイル」と格安SIMの「iijimo」です。
どちらもコスパは抜群のスマホプランと言えるので、「楽天モバイル」のユーザーでも「IIJmio」が気になっている方は少なくありませんし、逆に「IIJmio」のユーザーで「楽天モバイル」が気になっている方もいらっしゃいますよね?
「IIJmio」と「楽天モバイル」では、どちらがお得なのか?両者を比較して解説していきます。
「IIJmio」と「楽天モバイル」それぞれどんなプラン?
「IIJmio」と「楽天モバイル」、それぞれどんなプランなのか?から見ていきましょう。
「IIJmio」
(出典:IIJmio)
「IIJmio」はドコモ回線とau回線が選択できる、老舗の格安SIMでコスパの良さと通信品質の高さに定評があり、格安SIMでトップクラスのシェアを誇ります。
格安SIMは自社で回線やアンテナ基地局などを持たずに、通信キャリアの回線の一部を借りて運用されている通信サービスです。
格安SIMについては、以下も併せてご参照ください。
プラン料金
決まった容量ごとに月額料金があり、データ容量を使い切った後は、自分でチャージ(1GBにつき220円)をしなければ、使いすぎて料金が上がることもありません。
容量 | 料金 |
2GB | 850円 |
5GB | 950円 |
10GB | 1,400円 |
15GB | 1,800円 |
25GB | 2,000円 |
35GB | 2,400円 |
45GB | 3,300円 |
55GB | 3,900円 |
最も小容量の2GBなら、月額850円で利用することができます。
家族割
2人以上の家族で利用する場合は、スマホ1台につき月額100円の家族割が適用されます。
容量 | 2回線以上 家族割適用 |
2GB | 750円 |
5GB | 850円 |
10GB | 1,300円 |
15GB | 1,700円 |
25GB | 1,900円 |
35GB | 2,300円 |
45GB | 3,200円 |
55GB | 3,800円 |
家族割を適用させると、最低容量2GBの月額料金は750円になり、5GBのプランでも月額850円というコスパの良さで利用できます。
「楽天モバイル」
(出典:楽天モバイル)
「楽天モバイル」は日本で最も新しい、4番目の通信キャリアです。独自の回線やアンテナ基地局の設置をして運営しているため、安価に月額料金が設定されていても格安SIMとは明確にことなり、楽天モバイルは格安SIMではありません。
3大キャリアから新規流入の顧客を獲得しないと運営を継続することは難しく、それ故に安価なプラン料金を設定していると言えます。
プラン料金
通話のできる基本になるメインプランは1種類で(*2025年10月以降は動画サブスクのU-NEXT見放題をセットにしたプランがスタートします)、毎月の利用データ容量に応じて、支払料金が変わる従量制プランです。
容量 | 料金 |
3GBまで | 1,078円 |
20GBまで | 2,170円 |
20GB以上無制限 | 3,278円 |
無制限に利用しても月額3,278円は3大キャリアの半額以下で、3GB未満の場合は月額1,078円で利用することができます。
家族割
2人以上の家族で利用する場合は、スマホ1台につき月額110円の家族割が適用されます。
容量 | 2回線以上 家族割適用 |
3GBまで | 968円 |
20GBまで | 2,060円 |
20GB以上無制限 | 3,168円 |
3大キャリアの家族割の金額は最大1,210円で、楽天モバイルの家族割は110円と大きな差がありますが、支払い絶対額で比較すればコスパは圧倒的に楽天モバイルが上です。
「IIJmio」と「楽天モバイル」必要な容量でお得を比較
どちらもコスパ良く利用ができることは、プラン内容を見れば明白ですが、毎月の必要なデータ容量によって、どちらがお得になるのか?シビアに比較をしてみましょう。
必要容量 | iijimo | 楽天モバイル |
2GB | 850円 | 1,078円 |
3GB | 950円 | 1,078円 |
4GB | 950円 | 2,170円 |
5GB | 950円 | 2,170円 |
10GB | 1,400円 | 2,170円 |
15GB | 1,800円 | 2,170円 |
20GB | 2,000円 | 2,170円 |
25GB | 2,000円 | 3,278円 |
35GB | 2,400円 | 3,278円 |
45GB | 3,300円 | 3,278円 |
55GB | 3,900円 | 3,278円 |
55GB以上 | - | 3,278円 |
*太字がお得なプラン
小容量から35GBまでは「IIJmio」がお得
先の表を見れば明確ですが、小容量プランでは「IIJmio」が圧倒的にお得です。
利用者が多い、3GB未満程度では950円と1,078円で大きな差はありませんが、3GBを超過した場合は950円と2,170円の大きな差が発生します。昨今のデータ利用量は増加傾向にあり、5GB未満程度の小容量プランユーザーなら、「IIJmio」を利用した方がコスパは圧倒的に良くなります。
「楽天モバイル」ユーザーが「IIJmio」に乗り換えるには、MNPワンストップが利用できます。MNP予約番号を楽天モバイルに請求する必要が無く、「IIJmio」の申し込み時に「MNPワンストップ」を選択して、楽天モバイルの情報を入力すれば、使っている電話番号はそのままで、「IIJmio」に乗り換えが可能です。(*オンライン契約をする場合)
35GB以上なら「楽天モバイル」がお得
毎月それなりの容量を利用するユーザーは、「楽天モバイル」がお得になります。
格安SIMは小容量プランに特化している傾向がありましたが、最近はIIJmioを含めて大きな容量プランの提供も盛んになっています。しかし、IIJmioの最大容量は55GBまでであり、それ以上の容量プランは用意されていません。
「楽天モバイル」は、20GB以上は無制限利用が可能で料金も3,278円の定額です。IIJmioで毎月35GB以上を利用しているユーザーや、55GBの容量プランを契約していても不足するユーザーは、「楽天モバイル」ならストレスなく定額で無制限利用ができます。
「IIJmio」ユーザーが「楽天モバイル」に乗り換えるには、MNPワンストップが利用できます。MNP予約番号をIIJmioに請求する必要が無く、「楽天モバイル」の申し込み時に「MNPワンストップ」を選択して、IIJmioの情報を入力すれば、使っている電話番号はそのままで、「楽天モバイル」に乗り換えが可能です。(*オンライン契約をする場合)
「IIJmio」と「楽天モバイル」電話通話頻度が多い場合お得なのは?
電話通話の料金は意外に高く、あれ?今月のスマホ代が高いなぁ!と思って調べてみると、電話通話料金が加算されている経験、している方が多くありませんか?
電話通話の頻度がそれほど高くない方は、通話オプションを利用していないケースが多く、料金単価はそれぞれ「IIJmio」は11円/30秒、「楽天モバイル」は22円/30秒になっています。単純に通話料金だけで比べれば、半額になっている「IIJmio」がお得です。以前の「IIJmio」で通信キャリアの通話料の半額で利用するためには、専用のアプリで発信する必要がありましたが、現在はスマホに標準装備されているアプリで一般的な発信でOKになっています。(既にアプリ利用の通話はできません)
電話通話頻度が多いユーザーは、どちらがお得なのか?比較してみましょう。
「楽天モバイル」はアプリ利用で国内通話無料
(出典:楽天モバイル)
楽天モバイルは専用のアプリ「Rakuten Link」を使って発信した国内通話は、料金が発生せずにかけ放題で利用できます。これは、オプション料金も不要で標準装備です。
途中まで電話回線を利用しない電話通話なので、一般的な電話通話よりも品質は劣りますが、ビジネス利用ならともかく、友人との通話やお店などに問い合わせをする場合は問題がなく、無料で電話通話ができるのは楽天モバイルの大きなメリットだと言えます。
「かけ放題」オプションは?
アプリを使っての通話品質に全く問題がないなら、電話のかけ放題オプションは必要がありませんが、「楽天モバイル」では15分のかけ放題オプション(月額1,100円)も用意されています。
「IIJmio」では、3種類のかけ放題オプションが用意されています。
IIJmioかけ放題オプション | ||
通話定額5分 | 通話定額10分 | かけ放題 |
500円 | 700円 | 1,400円 |
安価な5分かけ放題が最適なら「IIJmio」コスパ追求優先なら「楽天モバイル」
固定電話で利用頻度が高い通話は問い合わせや確認などが中心で、それほど通話時間は長くありません。多くの1回の通話時間は5分以内になることが圧倒的に多く、データをそれほど使わない電話通話頻度が高いユーザーなら、家族割を適用した2GBプランに5分かけ放題をプラスしても、月額料金は1,250円で済みます。5分で短いユーザーは10分かけ放題オプションになり、月額料金は1,450円になります。
通話品質にこだわらないなら、楽天モバイルの専用のアプリ「Rakuten Link」を使えば通話料金はかからず、オプション料金も不要で最低月額料金は1,078円です。金額的にお得なのは「楽天モバイル」ですね。
電話回線利用のかけ放題は「IIJmio」のみ
ビジネス利用中心などの電話回線品質が必要なかけ放題は、「IIJmio」にしか用意されていません。家族割を適用した2GBプランに国内通話かけ放題オプションをプラスして、月額料金は2,150円になります。
「IIJmio」と「楽天モバイル」それぞれの通信速度は?
どれだけお得であっても、利用する度にイライラする通信速度でしか利用できない様では、とてもお得だとは言えません。
実際に利用しているユーザーが通信速度を計測している、「みんなのネット回線速度」で、直近3ヶ月の両者の通信速度を比較してみましょう。
回線 | Ping | 下り | 上り |
IIJmio | 60.64ms | 52.42Mbps | 10.06Mbps |
楽天モバイル | 52.47ms | 83.51Mbps | 24.57Mbps |
※ Pingは反応速度で数値が小さいほどレスポンスが良い ※ 下り上りは通信速度で数値が大きいほど速い ※ 直近3ヶ月に計測された1250件のIIJmioの測定結果から平均値を計算 ※ 直近3ヶ月に計測された7440件の楽天モバイルの測定結果から平均値を計算 |
どちらも通信速度に問題はない
「楽天モバイル」の方が、すべての数値は優秀だと言えます。しかし、「IIJmio」の数値も一般的な利用で不満を感じる通信速度ではないと言えます。
お昼休みの利用頻度が高いなら「楽天モバイル」
12時からのお昼休みにスマホの利用頻度が高いなら、「楽天モバイル」がおすすめです。
回線の一部を通信キャリアから借り受けて運営している格安SIMの「IIJmio」は、利用者が同じ時間帯に集中することで、通信速度の低下が顕著に出るケースがあります。
「IIJmio」と「楽天モバイル」繋がりやすさは?
どれだけお得であっても、繋がらないスマホほどイライラするものはありません。繋がりやすさで両者を比較すればどうでしょう?
繋がりやすさでは「IIJmio」
楽天モバイルは以前と比較して、繋がりやすさが大幅に改善していると言えます。
これは、楽天モバイルがアンテナ基地局の設置を積極的に進めた事に加えて、新たに認可を得た、遠くまで届いて障害物にも強いプラチナバンド、バンド28(700MHz帯)の運用が積極的に始まっていると推察できます。
しかし、まだプラチナバンドの普及は道半ばだと言えます。筆者は「IIJmio」と「楽天モバイル」をデュアルSIMで運用していますが、コンビニで奥まった場所にレジがある場合などで、楽天モバイルの回線では反応しないケースがあるのも事実です。
繋がりやすさで甲乙を付けるなら、ドコモ回線・au回線は永年積み上げたノウハウとアンテナ基地局数とプラチナバンドの運用があり、それを全く同様に利用ができる「IIJmio」が繋がりやすいと言えます。
「IIJmio」と「楽天モバイル」乗り換えてもスマホは使える?
どちらから、どちらに乗り換えても、利用する電波(周波数帯)は変わります。お得を考えるなら、乗り換え後も現在利用しているスマホを利用したいですよね?
4G LTEの割り当て
バンド | 周波数帯 | 使用するキャリア |
1 | 2GHz帯 | docomo・au・SoftBank |
3 | 1.7GHz帯 | docomo・au・SoftBank・楽天モバイル |
8 | 900MHz帯 | SoftBank |
11 | 1.5GHz帯 | au・SoftBank |
18 | 800MHz帯 | au |
19 | 800MHz帯 | docomo |
21 | 1.5GHz帯 | docomo |
26 | 800MHz帯 | au |
28 | 700MHz帯 | アジア太平洋共通バンド(docomo・au・SoftBank)楽天モバイル |
41 | 2.5GHz帯 | Wireless City Planning・UQ コミュニケーションズ |
42 | 3.5GHz帯 | docomo・au・SoftBank |
5Gの割り当て
「sub6」
バンド | 周波数 | 使用するキャリア |
n77 | 3.7~3.8GHz | au |
n77 | 3.8~3.9GHz | 楽天モバイル |
n77 | 3.9~4.0GHz | SoftBank |
n77 | 4.0~4.1GHz | au |
n78 | 3.3~3.8GHz | docomo(3.6~3.7GHz)・au |
n79 | 4.5~4.6GHz | docomo |
「ミリ波」
バンド | 周波数 | 使用するキャリア |
n257 | 27.00GHz~27.40GHz | 楽天モバイル |
n257 | 27.40GHz~27.80GHz | docomo |
n257 | 27.80GHz~28.20GHz | au |
n257 | 29.10GHz~29.50GHz | SoftBank |
SIMフリースマホでバンド利用ができれば問題なし
使っているスマホにSIMロックがかかっておらず、上記のバンドが利用できるなら、問題無く乗り換え後も利用できます。
5Gの「ミリ波」は対応しているスマホが少なく、普及も進んでいないので考慮する必要はありません。
iPhoneなら、iPhoneXシリーズ、iPhone11以降や、iPhoneSE第2世代以降なら両者のどちらも快適に利用ができます。