スマートフォンでも自宅でのインターネット利用は、家族で共有するWi-Fiを利用するユーザーが増えています。家族で利用するインターネット回線を一本化することで、割高なスマホプランでのギガ消費を抑えて、通信費トータル費用が抑えられるだけでなく、高速な光回線を利用することで快適な通信環境が得られることがその理由です。
しかし、本来なら快適なはずのWi-Fi利用なのに、通信速度が遅い・繋がらないことに悩むユーザーが少なくありません。
自宅のWi-Fiが繋がらない!遅い!とお悩みの方に、その対処方法を解説していきます。
「自分のスマホだけが遅い!繋がらない!」場合の対処方法
家族で同じ回線のWi-Fiを使っているのに、自分のスマホだけが遅い!繋がらない!状態なのはイライラしますよね・・・。その場合の対処方法を見ていきましょう。
スマホの再起動
スマホがWi-Fiに繋がらない!遅いに対する、最も簡単な対処方法で効果的なのはスマートフォンの再起動です。
長期間に渡って継続的にスマホの電源が入っていると、正常に機能しなくなるケースが多々あります。目覚ましに利用するユーザーも多く、寝ている時も常に電源が入っている状態になっていることが多いのもその一因と言えます。
IT機器全般に言えることですが、正常に稼働するためには部品だけで行われているのではなく、複雑なプログラムを複合的に走らせることで成り立っています。電源を一旦落とすことでリセットが行われるので、状態がおかしくなっているスマホを再起動することによって、本来の動きを取り戻し通信速度も含めて正常になります。
電源ボタンの長押しや、電源ボタンを押すことで再起動の選択肢ウィンドウが現れますが、希に重傷の場合はこの一般的な動作で再起動ができない場合もあります。その場合は強制再起動も試してみてください。
iPhoneの強制再起動
音量を上げるボタンを押してから素早く放す - 音量を下げるボタンを押してから素早く放す - サイドボタンを押さえたままにする - appleロゴが表示されたら、サイドボタンを放せば再起動が行われます
Androidの強制再起動
Androidの強制再起動は、機種ごとに異なっています。いずれも複数のボタンの組み合わせ操作で行います。具体的な組み合わせはスマホメーカーのHPで、「機種名 強制再起動」で検索をしてみてください。
一例としては、「電源ボタンと音量上ボタンを長押し」「電源ボタンと音量下ボタンを長押し」「電源ボタンのみ長押し」などがあり、これから試してみても良いですね。
スマートフォンが古い・寿命を迎えている
継続して長くモノを使うことは素晴らしいことですが、スマートフォンには寿命もあります。使っているうちに処理能力が追いつかなくなっていて、通信速度だけでなく表示速度にも影響が出ている可能性があります。バッテリーの持ちが極めて悪くなっている・処理能力が極めて遅くなっていると感じているなら、スマホを新調することでストレスから解放されます。
また、Wi-Fiの通信速度は世代によって大きく異なり、同じWi-Fiを利用しているつもりでも、自分のスマホだけが新しい規格に対応していなければ、通信速度は遅くなります。
通信キャリアのショップ以外でもスマホは入手可能でコスパも良い
スマートフォンの価格は以前に比べて高騰していると言ってもよく、通信キャリアのショップでは買取ではなく期間を区切って安価に利用できる方法が多くなっています。しかし、広く通信会社に対応しているSIMフリーのスマートフォンは、Amazonなどの通販サイトで安価に入手が可能になっています。
コスパがよく、比較的長期に渡って利用ができそうなスマホをピックアップしてみます。
【整備済み品】 Apple iPhone SE(第3世代)
iPhoneは10万円越えが当たり前になっていますが、まだまだ利用ができるiPhoneが3万円以下で入手できます。
Xiaomi POCO F7 12GB+256GB
まだ発売が間もないコスパモンスターで、他社なら10万円を超えるスペックを半額以下で利用できます。
Motorola(モトローラ) motorola edge 40 neo
2024年の発売時は5万円を超過していましたが、現在は半額近くで入手できるケースがあります。美しい有機ELの画面を持ち、性能的にも十分です。
Nothing Phone (2a) 8+128G
どれも同じようなAndroidスマホの中で、個性的なおしゃれデザインで他社と差別化されている、イギリスに本社を置くメーカーです。既に後継機種が出ているため、3万円台で購入することができるため、費用対効果を考えれば満足度はかなり高いと言えます。
「全体的にWi-Fiの通信速度が遅い」場合の対処方法
どんな端末を使っても通信速度が遅い!繋がらない!場合の対処方法について、具体的に見ていきましょう。
再起動をしてみる
前述のように、IT機器の調子が悪くなったら「再起動」は基本の基本です。Wi-Fi回線にまつわる機器全ての再起動を行ってみましょう。
ホームルーター・モバイルルーターをご利用の場合
自宅のWi-Fi回線に、無線のホームルーター・モバイルルーターをご利用中の方は、ホームルーター本体・モバイルルーター本体の再起動を行ってみてください。再起動を行う順番としては、電源を落とすのはスマホやパソコンのタブレットなどの端末からで、次にホームルーター本体・モバイルルーター本体の電源を落としてください。ゆっくり10数えた後に、ホームルーター本体・モバイルルーター本体の電源を入れて、動作が落ち着いてきたことを確認した後に利用する端末の電源を入れてください。
光回線をご利用の場合
(出典:NTT西日本)
光回線をご利用中の場合は、扱う機器が増えます。光コンセントから光ファイバーケーブルでONU(光信号をデジタル信号に変換する装置です)に接続されていて、Wi-FiルーターがONUにLANケーブルを使って接続されているのが一般的です。
再起動を行う場合は、パソコン・スマートフォンなどの端末の電源を落とし、次にWi-Fiルーターの電源を落とします。次にONUの電源を落としたら、ゆっくり10数えてONUの電源を入れます。動作が落ち着いてきたことを確認してから、Wi-Fiルーターの電源を入れます。Wi-Fiルーターの動作が落ち着いてきたことを確認した後に、パソコン・スマートフォンなどの端末の電源を入れます。
部屋の環境が変わっていませんか?
部屋の模様替えなどをきっかけにして、通信速度が低下するケースがあります。
部屋の環境が変わって通信速度が下がるのには、以下のような理由があります。
水槽などの位置が変わった・新しく入れた
Wi-Fiルーターの近くに水があると、影響を受けてWi-Fiが繋がりにくくなるケースがあります。その場合、設置する位置を離すことで概ね解決します。
電子レンジ・コードレスフォンの位置が変わった
電子レンジの出す周波数がWi-Fiに干渉したり、コードレスフォンの電波がWi-Fiに干渉して、通信速度が低下したり繋がりにくくなるケースがあります。この場合、位置関係を見直して双方を離すなどの見直しだけでなく、使っているWi-Fiを変更するのも手です。
Wi-Fiは単一の電波を発しているのではなく、主に2.4GHz帯と5GHz帯があります。
電子レンジ・コードレスフォンの影響を受けやすいのは2.4GHz帯でWi-Fiを利用している場合で、5GHz帯のWi-Fiを利用することで改善することが多々あります。
端末のWi-Fi設定画面で、一般的に飛んでいるWi-Fiの名称に「g」が付いている場合は2.4GHz帯であり、「a」が付いている場合は5GHz帯のケースが多くなっています。Wi-Fiルーターの機種によっては、「2G」が付いていると2.4GHz・「5G」が付いていると5GHzを表している場合もあります。(新しいWi-Fiルーターでは6GHzも使われています)
Wi-Fiの2.4GHz帯と5GHz帯の違い
2.4GHz帯は遠くまで届きやすく障害物に強い反面、通信速度は遅くなります。5GHz帯は障害物に弱く遠くまで届きにくい反面、通信速度は速くなります。
2.4GHz帯のWi-Fiを使っていて通信速度の遅さを感じるなら、5GHz帯にしてみると大幅に改善することがあります。
Wi-Fiルーターから利用する部屋が離れていてWi-Fiが弱く安定しない場合、2.4GHz帯にWi-Fiを切り替えることで改善するケースがあります。
古いWi-Fiルーターを長期間継続利用していませんか?
光回線で利用しているWi-Fiルーターは24時間365日、継続して電源を入れて利用する前提の設計がされていて、故障することなく比較的長期間の継続利用が可能になっています。しかし、機器自体に問題が無くても、長年経過するうちに規格が時代遅れになっているケースがあります。新しい規格から旧い規格に並ぶ、一覧表を見てみましょう。
規格名 | 新名称 | 周波数帯 | 最大通信速度 | 電波干渉 | 障害物 |
IEEE802.11be | Wi-Fi 7 | 2.4GHz | 46Gbps | 弱い | 強い |
5GHz | 46Gbps | 強い | 弱い | ||
6GHz | 46Gbps | 強い | 弱い | ||
IEEE 802.11ax | Wi-Fi 6E | 2.4GHz | 9.6Gbps | 弱い | 強い |
5GHz | 9.6Gbps | 強い | 弱い | ||
6GHz | 9.6Gbps | 強い | 弱い | ||
IEEE802.11ax | Wi-Fi 6 | 2.4GHz | 9.6Gbps | 弱い | 強い |
5GHz | 9.6Gbps | 強い | 弱い | ||
IEEE802.11ac | Wi-Fi 5 | 5GHz | 6.9Gbps | 強い | 弱い |
IEEE802.11n | Wi-Fi 4 | 2.4GHz | 600Mbps | 弱い | 強い |
5GHz | 600Mbps | 強い | 弱い | ||
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps | 弱い | 強い | |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps | 弱い | 強い | |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps | 強い | 弱い |
旧い規格になるほど、通信速度は劇的に遅くなります。古いWi-Fiの規格と新しい規格の通信速度は、何十倍どころか何百倍にもなりますが、Wi-Fiの規格を利用するためには、Wi-Fiルーターと利用するスマホなどの端末が両方対応している必要があります。
費用対効果を考慮したWi-Fiルーター選びは?
Wi-Fiルーターで新しい規格を利用するためには、Wi-Fiルーターを買い換えるしか方法はありません。現在のスマホは基本的にWi-Fi5には対応していて、Wi-Fi6に対応しているものも増えています。Wi-Fi7に対応している端末は少なく、費用対効果や将来的な事も考えて、新しく導入するなら少なくともWi-Fi6以上に対応しているタイプがおすすめです。
【Amazon.co.jp限定】TP-Link WiFi ルーター
Wi-Fi6に対応したタイプで、5,000円以下で購入可能の売れ筋です。
【Amazon.co.jp限定】バッファロー WiFi ルーター
Wi-Fi7に対応しているタイプで、1万円前後で購入可能になっています。現在Wi-Fi7に対応した端末を利用していなくても、将来的に増えてくることが予想されていて、長期間快適に高速なWi-Fiを利用できます。
比較的新しいWi-Fiルーターを利用しているのに通信速度が遅い
Wi-Fiルーターを買い換えても通信速度が改善しない場合、前述のONUとWi-Fiルーターを接続しているLANケーブルに問題がある場合があります。
LANケーブルも時代によって通信速度が大きく変わり、旧い規格のLANケーブルを利用している場合、その部分がボトルネックになって通信速度は遅くなります。一見すると旧い規格と新しい規格の見分けが付きにくく、脱線するケースもすくないため、新しい機器を導入しても、古いLANケーブルをまだ使えそうと利用しているケースが多くあります。
規格の旧い規格から順番に、LANケーブルの規格を見ていきましょう。
カテゴリ名 | 印字されている文字 | もしくはこちらの文字 | 最大通信速度 |
カテゴリ5 | CAT.5 | ANSI/TIA/EIA-568-B.1 | 100Mbps |
カテゴリ5e | CAT.5e | ANSI/TIA/EIA-568-B.2 | 1Gbps |
カテゴリ6 | CAT.6 | ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1 | 1Gbps |
カテゴリ6A | CAT.6A | ANSI/TIA-568-B.2-10 | 10Gbps |
カテゴリ7 | CAT.7 | ISO/IEC 11801 | 10Gbps |
カテゴリ7A | CAT.7A | 10Gbps | |
カテゴリ8 | カテゴリ8 | ANSI/TIA-568.C-2-1 | 40Gbps |
費用対効果に優れたLANケーブルは?
ONUとWi-Fiルーターの接続だけでなく、パソコンなどでLANケーブルを利用している場合は、新しい規格のLANケーブルに交換するだけで、通信速度が大きく改善することがあります。費用対効果に優れた、おすすめのLANケーブルを見てみましょう。
UGREEN LANケーブル CAT8
カテゴリ8に対応したLANケーブルですが、1mの長さで1,000円以下で購入できます。
Wi-Fiルーターから遠い部屋で電波が届きづらい
Wi-Fiの飛ぶ範囲は限界があり、端末を利用する部屋がWi-Fiルーターから遠くなるほど電波は弱くなり、安定せずに通信速度が遅くなったり、繋がらなくなったりします。
利用するWi-Fiの周波数帯を変えてみる
前述ように、Wi-Fiルーターは2.4GHz帯と5GHz帯があり、「a」の付いた5GHz帯のWi-Fiを使っているなら、「g」の付いた2.4GHz帯に利用するWi-Fiを切り替えてみる手段があります。
2.4GHz帯は通信速度が落ちる反面、障害物に強く遠くまで届きやすい特性があります。
中継器やメッシュWi-Fiを導入する
Wi-Fiの飛ぶ範囲を広くするには、Wi-Fiルーターだけではできることに限りがあります。効果的なのは、Wi-Fiの中継器やメッシュWi-Fiの導入です。
手軽にできるのが、中継器をWi-Fiルーターと利用する遠い部屋の中間地点に設置することです。3階建て以上の戸建てや広大な鉄筋コンクリートのマンションでの利用には無理がありますが、一般的なマンションや戸建てでは劇的にWi-Fiの飛ぶ範囲を広くできます。
広範囲でより安定してWi-Fiをシームレスに利用するには、メッシュWi-Fiの導入がおすすめです。Wi-Fiが利用できない場所を少なくして、自宅内をWi-Fiで塗りつぶすイメージになります。
中継器 【Amazon.co.jp限定】 TP-Link WiFi 無線LAN 中継機
Wi-Fi5に対応した安価な中継器で、3,000円以下で購入できます。費用対効果は抜群で、これを一つ付けるだけで、こんなに通信環境が改善するのか!と驚きますよ。
中継器 TP-Link Wi-Fi 無線LAN 中継器
Wi-Fi6に対応した中継器で、5,000円以下で購入できます。Wi-Fi6に対応したWi-Fiルーターをお使いで、利用できる端末もある場合はこちらがおすすめです。
メッシュWi-Fi TP-Link WiFi ルーター メッシュwifi WiFi6 AX3000 HE160
Wi-Fi6に対応しているメッシュWi-Fiで、18,000円程度で2台セットが購入できます。Wi-Fiルーターの機能もあるので、Wi-Fiルーターが古く買い換えるなら、このセットだけでWi-Fiルーターの購入が別途必要無く、広い範囲で高速通信が利用できるようになります。
マンションにお住まいで配線方式が「VDSL方式」
マンションなどの集合住宅のお住まいで、光回線なのに通信速度が遅い!という方は、建物内の配線方式が「VDSL方式」の可能性があります。集合住宅で光回線を利用するには、各戸で直接ケーブルを引き込むのではなく、建物の共有スペース内まで導入工事が完了している光回線を、建物内の配線で各戸に届けるのが基本的な利用方法です。
VDSL方式のマンションでは、1Gbpsの高速な光回線が導入されていても、利用ができる通信速度は理論上大幅に遅くなる最大100Mbpsに制限されます。建物内の配線方式を光配線に切り替え工事をするしか通信速度向上させる方法はなく、別の手段で即効性のある改善方法はありません。
無線回線なら配線方式の影響を受けない
通信速度を改善する方法として、建物の配線方式の影響を受けない、無線の「ホームルーター」利用がおすすめです。VDSL方式で利用できる通信速度よりも、大幅に改善できる可能性があります。
ホームルーターは、通信キャリア4社(ドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイル)から提供されています。
3年間の実質支払い費用が安いのは?
3年間での実質費用について、4社のホームルーターをフラットに比較してみましょう。
サービス名 | ドコモ home 5G HR02 |
HOME 5G L13 | ソフトバンクエアー Airターミナル6 |
楽天モバイル Rakuten Turbo5G |
基本月額 1年目 | 5,280円 | 4,433円 | 4,950円 | 4,840円 |
基本月額 2年目 | 5,280円 | 4,928円 | 4,950円 | 4,840円 |
基本月額 3年目 | 5,280円 | 4,928円 | 5,368円 | 4,840円 |
機種代 | 0円 | 0円 | 0円 | 41,580円 |
3年間合計金額 | 190,080円 | 171,468円 | 183,216円 | 215,820円 |
キャッシュバック | 20,000円 | 13,000円 | 35,000円 | 0円 |
3年間実質合計 | 170,080円 | 158,468円 | 148,216円 | 215,820円 |
実質月額料金 | 4,724円 | 4,402円 | 4,117円 | 5,995円 |
*ドコモHR02のキャッシュバックは、Amazonギフト券 *HOME 5G L13のキャッシュバックは期間限定 *ソフトバンクのキャッシュバックは代理店+公式 *楽天モバイルは機種代の別途支払いが必要 *ドコモの機種代分割回数は36回 *ソフトバンクの機種代分割回数は48回 |
2年間の利用で実質支払い額が一番安いのは、「ソフトバンクエアー」の月額実質4,117円です。